司法試験 / 刑法
2019年 司法試験 刑法 第18問 解説
- 偽証罪
- 判例
解説
AI 生成この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。
▸問題と選択肢
〔第18問〕(配点:2)
司法作用に対する罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。(解答欄は,[№33])
- 1.証人等威迫罪は,判決確定前であれば,その事件で証人として証言を終えた者を威迫した場合でも,成立する。正解
- 2.証人等威迫罪は,公判の結果に何らかの影響を及ぼそうとする意図がなければ,成立しない。
- 3.偽証罪は,証人がした虚偽の陳述が裁判の結果に影響しないのであれば,成立しない。
- 4.偽証罪は,証人が殊更記憶に反する陳述をした場合でも,陳述内容が真実であれば,成立しない。
- 5.虚偽告訴罪は,告訴の内容が客観的真実に合致していた場合でも,申告者が虚偽であると認識していれば,成立する。
問題のリキャップ
司法作用に対する罪 (証人等威迫罪 (刑法 105 条の 2)・偽証罪 (刑法 169 条)・虚偽告訴罪 (刑法 172 条)) について、判例の立場で正しいものを 1 個選ぶ問題。
正解: 1
1. 正しい: 証人等威迫罪の客体は証言を終えた者も含む
証人等威迫罪 (105 条の 2) は「自己若しくは他人の刑事事件に関する捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者」を処罰する。本罪は 司法作用の適正運用 + 関係者の畏怖感の防止 を保護法益とする。
判決が確定するまでは事件審判が継続中であり、既に証言を終えた証人であっても、控訴審・上告審で再度の証言や調書取調べの可能性が残るので、なお「審判に必要な知識を有する者」に当たると解されている。よって判決確定前であれば、証言を終えた者を威迫した場合でも本罪は成立する。本肢は判例・通説と整合し、正しい。
2. 誤り: 公判結果への影響意図は不要
証人等威迫罪は、刑事司法作用の適正と関係者の安全を保護する罪であり、その成立に 公判の結果に影響を及ぼそうとする意図は要件とされない。本罪の故意は、相手方が事件の証言関係者であること等を認識し、強談威迫等の行為を行うことの認識で足りる。本肢は意図を要件として加える点で誤り。
3. 誤り: 偽証罪は抽象的危険犯
偽証罪 (刑法 169 条) は、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたことによって司法作用の適正を抽象的に危殆化する 抽象的危険犯 であり、判例・通説上、虚偽の陳述が 裁判の結果に影響しなくても成立する。本肢は結果への影響を要件として加える点で誤り。
4. 誤り: 主観説 (記憶反対説) では真実でも成立
偽証罪における「虚偽の陳述」については、 主観説 (記憶反対説) が判例・通説的整理として採用されており、証人がその記憶に反する陳述をした場合に「虚偽の陳述」に当たるとされる。たまたま陳述内容が客観的真実と一致していたとしても、記憶に反する陳述であれば偽証罪は成立する。本肢はこれと反対の立場 (客観説 = 客観的事実と一致すれば不成立) を採る点で誤り。
5. 誤り: 虚偽告訴罪は客観的虚偽が必要
虚偽告訴罪 (刑法 172 条) は、申告内容が 客観的事実に反する ことを要件とする。申告者が「虚偽である」と認識していても、申告内容が客観的に真実と合致している場合には本罪は成立しないと整理されている。よって本肢は誤り。
よって正しいのは 肢 1。