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司法試験 / 刑法

2021年 司法試験 刑法 第15問 解説

  • 共犯

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第15問〕(配点:2)

刑法第65条について,学生A,B及びCが次の【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑪までの()内に後記【語句群】から適切な語句を入れた場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。なお,①から⑪までの()内にはそれぞれ異なる語句が入る。(解答欄は,[No.25])

【会話】

学生A.私は,「違法の連帯性,責任の個別性」の原則を強調する立場から,(①)と考えます。

学生B.A君の見解には,(②)との批判がありますね。私は,刑法第65条第1項が「共犯とする」,同条第2項が「通常の刑を科する」とそれぞれ規定していることに着目し,(③)と考えます。

学生C.ただ,B君の見解には,(④)との批判がありますね。刑法第65条第1項が身分によって構成すべき犯罪を問題とし,同条第2項が身分によって刑の軽重がある犯罪を問題としていることに着目し,(⑤)と考えるべきではないかな。

学生B.でも,C君の見解にも,(⑥)との批判がありますね。ところで,C君の見解だと,甲が知人の乙を唆して乙の嬰児の生存に必要な食事をさせなかった事例では,甲の罪責はどうなりますか。

学生C.私は,刑法第217条(遺棄)と同法第218条(保護責任者遺棄等)の「遺棄」とは,行為者と要扶助者との間の場所的離隔を生じさせることをいい,同法第217条では作為による遺棄のみが処罰されていると考え,また,同法第218条の「必要な保護をしなかった」とは,場所的離隔を生じさせることなく要扶助者を不保護状態に置くことをいうと考えます。そうすると,同条の罪のうち,作為による保護責任者遺棄罪は(⑦)犯,保護責任者不保護罪は(⑧)犯になるため,乙とその嬰児との間に場所的離隔が生じていない本件では,甲には(⑨)と考えます。

学生A.しかし,C君の見解では,甲が乙を唆して乙の嬰児を山に捨てさせた事例では,甲に(⑩)ため,不均衡な結論になるのではないかな。私は,保護責任者という身分は,必要な保護をしなかったことの違法性を基礎付け,遺棄の違法性を加重するため,(⑪)と考えます。したがって,私の見解からは,いずれの事例でも,甲には(⑨)と考えます。

【語句群】

a.刑法第65条第1項は真正身分犯の成立及び科刑についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯の成立及び科刑についての規定である

b.刑法第65条第1項は身分が違法性に関係する場合についての規定であり,同条第2項は身分が責任に関係する場合についての規定である

c.刑法第65条第1項は真正身分犯・不真正身分犯を通じて共犯の成立についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯の科刑についての規定である

d.犯罪の成立と科刑が分離されることになる

e.真正身分犯が身分を連帯的に作用させ,不真正身分犯が身分を個別的に作用させることの実質的根拠が明らかでない

f.身分が違法性に関係する場合と責任に関係する場合を区別することは困難

g.責任身分h.違法身分i.真正身分j.不真正身分

k.刑法第218条の罪の教唆犯が成立する

l.刑法第217条の罪の教唆犯が成立する

  1. 1.①b⑤a⑨k正解
  2. 2.②d⑥e⑪h
  3. 3.②f⑦i⑧j
  4. 4.③c④d⑪g
  5. 5.③c⑥f⑩l

正解: 1 (①b ⑤a ⑨k)

刑法 65 条 の解釈に関する学説整理問題。「違法の連帯性、責任の個別性」を強調する 違法身分・責任身分区別説 (A 説) 、条文の「共犯」「通常の刑」という文言に着目する 真正・不真正区別説 + 罪名と科刑分離説 (B 説) 、1 項を真正身分犯、2 項を不真正身分犯に対応させる 構成的身分・加減的身分説 (C 説) の 3 つを比較する。

slot 対応の整理:

slot入る語句内容
bA 説: 1 項=違法身分、2 項=責任身分
fA 説への批判: 違法/責任の区別が困難
cB 説: 1 項=共犯成立、2 項=不真正身分犯の科刑
dB 説への批判: 犯罪成立と科刑が分離
aC 説: 1 項=真正身分犯、2 項=不真正身分犯
eC 説への批判: 連帯/個別作用の実質的根拠不明
j作為による保護責任者遺棄罪 (218 条) =不真正身分犯
i保護責任者不保護罪 (218 条) =真正身分犯
k食事を与えない事案 → 218 条 (不保護罪) の教唆犯
l山に捨てさせた事案 → 217 条の教唆犯 (不均衡)
hA 説: 保護責任者は違法身分

slot ⑦⑧の理屈: C 説では、刑法 217 条 の単純遺棄罪が一般人を主体とし作為遺棄のみを処罰すると解する前提に立つ。そのうえで 刑法 218 条 の作為による保護責任者遺棄罪は 217 条 (作為遺棄) を保護責任者という身分で 加重 したものなので 不真正身分犯 、保護責任者不保護罪は対応する一般人の不保護犯が 217 条に存在しないので保護責任者という身分が 構成 要素になる 真正身分犯 となる。

slot ⑨⑩の不均衡: 食事を与えない事案では場所的離隔がなく乙には 218 条の不保護罪 (真正身分犯) が成立 → 65 条 1 項により非身分者の甲にも 218 条の教唆犯が成立 (slot ⑨=k)。一方、山に捨てさせた事案では場所的離隔があり乙には 218 条の作為による保護責任者遺棄罪 (不真正身分犯) が成立 → 65 条 2 項により非身分者の甲には軽い 217 条の教唆犯にとどまる (slot ⑩=l)。同じ「乙を唆した甲」なのに、乙の遂行態様によって甲の罪責が 218 条と 217 条で分かれてしまう点が C 説の不均衡として批判される。

A 説の処理 (slot ⑪): 保護責任者という身分は遺棄行為の違法性を加重する 違法身分 と捉えるので (slot ⑪=h)、違法の連帯性により非身分者の甲にも 218 条の教唆犯が成立する。両事案で結論が揃う (いずれも slot ⑨=k)。

選択肢検証:

  1. ①b ⑤a ⑨k → すべて整合 → 正しい
  2. ②d ⑥e ⑪h → ② は f (d は B 説への批判 ④ に入る語句) → 誤り
  3. ②f ⑦i ⑧j → ⑦ は j、⑧ は i → ⑦と⑧が逆 → 誤り
  4. ③c ④d ⑪g → ⑪ は h (g「責任身分」ではなく h「違法身分」) → 誤り
  5. ③c ⑥f ⑩l → ⑥ は e (f は A 説への批判 ② に入る語句) → 誤り

よって正解は 1 (①b ⑤a ⑨k)。

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