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司法試験 / 刑法

2021年 司法試験 刑法 第6問 解説

  • 文書偽造罪
  • 判例

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第6問〕(配点:3)

文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[No.11],[No.12]順不同)

  1. 1.偽造公文書行使罪の客体は,行使の目的で作成されたものでなければならない。
  2. 2.公務員である医師が,自己の勤務する市立病院の患者が裁判所に提出するための診断書に虚偽の病名を記載した場合,虚偽公文書作成罪が成立する。正解
  3. 3.行使の目的で,公務員の名義を冒用して公文書を作成したが,実際には当該公務員に当該文書の作成権限がなかった場合,当該文書が当該公務員の職務権限内で作成されたものと一般人が信じるに足る形式・外観を備えていれば,公文書偽造罪が成立する。正解
  4. 4.警察官から提示を求められたときに備え,偽造された自動車運転免許証を携帯して自動車を運転した場合,偽造公文書行使罪が成立する。
  5. 5.上司である公文書の作成権限のある公務員を補佐して公文書の起案を担当する公務員が,その地位を利用し,行使の目的で,その職務上起案を担当する公文書に内容虚偽の記載をした上,情を知らない上司に,当該文書の内容が真実であると誤信させ,これに署名押印させた場合,虚偽公文書作成罪は成立しない。

正解: 2 と 3

文書偽造罪における客体要件・主体要件・行使概念の整理を問う問題。

  1. 誤り。刑法 158 条 1 項は、154 条から 157 条までの文書等を「行使した者」を処罰する旨を定めるにとどまり、客体である文書が「行使の目的で作成されたものであること」は条文上要求されていない。行使の目的は偽造・虚偽作成側 (刑法 155 条刑法 156 条) の主観的要件であって、行使罪の客体要件ではない。

  2. 正しい。市立病院に勤務する医師は公務員であり、その医師が職務に関し患者の裁判所提出用診断書に虚偽の病名を記載する行為は、公務員が職務に関し行使の目的で虚偽の文書を作成したものとして 刑法 156 条 の構成要件を満たす。判例の立場もこの場合に虚偽公文書作成罪の成立を認めている。

  3. 正しい。刑法 155 条 1 項にいう「公務所若しくは公務員の作成すべき文書」とは、文書の真正に対する公衆の信頼を保護する観点から、当該公務員に現実の作成権限があるかどうかではなく、一般人から見て当該公務員の職務権限内で作成されたものと信じるに足る形式・外観を備えているかで判断される。よって、名義人とされた公務員に実際の作成権限がなくとも、外観上その権限内の文書と信じさせるに足りる場合には公文書偽造罪が成立する、というのが判例の立場である。

  4. 誤り。刑法 158 条 の「行使」とは、偽造文書等を真正なものとして他人に認識させ、または認識し得る状態に置くことをいい、提示・交付・備付け等の相手方に対する具体的な作用を要する。警察官から提示を求められたときに備えて偽造運転免許証を携帯して運転していたにとどまる場合には、文書の内容を他人に認識させる行為に達しておらず「行使」には当たらないとするのが判例の立場であり、偽造公文書行使罪は成立しない。

  5. 誤り。虚偽公文書作成罪 (刑法 156 条) は作成権限ある公務員を主体とする身分犯であるが、最判昭32.10.4 は、起案担当の補助公務員がその地位を利用し、情を知らない作成権限者に虚偽内容の文書に署名押印させた場合について、作成権限者を道具として利用する間接正犯の形で虚偽公文書作成罪の成立を認めている。したがって「成立しない」とする本記述は誤り。

よって正解は 2 と 3。

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