司法試験 / 刑法
2021年 司法試験 刑法 第4問 解説
- 賄賂罪
- 判例
解説
AI 生成この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。
▸問題と選択肢
〔第4問〕(配点:2)
汚職の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[No.9])
ア.公務員になろうとする者が,その担当すべき職務に関し,請託を受けて,賄賂の収受を約束した後に公務員となったが,結局,賄賂を収受しなかった場合,事前収賄罪(刑法第197条第2項)が成立する。
イ.公務員が,その職務に関し,請託を受けて,第三者に賄賂を供与させた場合,職務上不正な行為をし,又は相当の行為をしなかったときに限り,第三者供賄罪(刑法第197条の2)が成立する。
ウ.公務員が,その職務に関し,賄賂を収受したとき,当該職務が適切なものであっても単純収賄罪(刑法第197条第1項前段)が成立する。
エ.公務員であった者が,その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたことに関し,退職後に賄賂を収受した場合,事後収賄罪(刑法第197条の3第3項)は成立しない。
オ.犯人が収受した賄賂は,任意的没収の対象となる。
- 1.アウ正解
- 2.アオ
- 3.イウ
- 4.イエ
- 5.エオ
正解: 1 (アウ)
公務員の職務に関する賄賂罪 (汚職の罪) の各類型について、成立要件と没収の性質を条文文言から判定する問題。
ア. 正しい。事前収賄罪 (刑法 197 条 2 項) は、公務員になろうとする者が担当すべき職務に関し請託を受けて賄賂を収受・要求・約束し、その後現実に 公務員となった ときに成立する。 要件は「収受、要求、約束」のいずれかで足り、約束後に実際に賄賂を収受したか否かは成立に影響しない。約束した時点で構成要件は具備されており、その後公務員となった以上、収受がなくても本罪は成立する。
イ. 誤り。第三者供賄罪 (刑法 197 条の 2) の条文要件は「公務員が、その職務に関し、請託を受けて 、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたとき」であり、職務上不正な行為をし又は相当の行為をしなかったことは要件ではない。職務違反行為が加重要件となるのは加重収賄罪 (刑法 197 条の 3 第 1 項・第 2 項) であり、第三者供賄罪と混同してはならない。
ウ. 正しい。単純収賄罪 (刑法 197 条 1 項前段) は「公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたとき」に成立し、当該職務行為の適否は要件ではない。賄賂罪の保護法益である 職務の公正及びそれに対する社会一般の信頼 は、適切な職務行為に対して対価が授受された場合にも害されるから、職務が適切であっても本罪の成立は妨げられない。
エ. 誤り。事後収賄罪 (刑法 197 条の 3 第 3 項) は、「公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたとき」に成立する。本記述は「在職中に請託を受けて職務上不正な行為をした」点で要件を満たしており、退職後に賄賂を収受した以上、事後収賄罪が成立する。
オ. 誤り。刑法 197 条の 5 は「犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する 。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する」と規定しており、収受された賄賂の没収は 必要的没収 である (任意的没収を定める 刑法 19 条 の特則)。
正しいのはアとウであるから、正解は 1。