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司法試験 / 刑法

2021年 司法試験 刑法 第7問 解説

  • 罪数
  • 判例

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第7問〕(配点:2)

次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[No.13])

ア.甲は,情を知らない法務局の担当登記官Aに対し,虚偽の申立てをして登記簿の磁気ディスクに不実の記録をさせた後,当該記録の内容を閲覧可能な状態にした。この場合,甲には,電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し,これらは牽連犯となる。

イ.甲は,乙がA及びBをバットで順次殴打して両名を負傷させた際,これに先立ち,乙の意図を知りながら,乙にバットを手渡してそれらの犯行を幇助した。この場合,甲には,A及びBに対する2個の傷害罪の幇助犯が成立し,これらは観念的競合となる。

ウ.甲は,A名義の預金口座から現金を引き出す目的で,AからA名義のキャッシュカードをだまし取るとともに,暗証番号を聞き出し,銀行の現金自動預払機で同キャッシュカードを使用して現金を引き出した。この場合,甲には,詐欺罪及び窃盗罪が成立し,これらは牽連犯となる。

エ.甲は,強制性交の目的でA宅に侵入したが,Aが不在であったため目的を遂げられなかった。その後,甲は,居間に置かれていたA所有の腕時計を発見し,窃取しようと考えてこれを持ち去った。この場合,甲には,住居侵入罪及び窃盗罪が成立するが,これらは併合罪となる。

オ.甲は,身の代金を得る目的でAを拐取した後,甲の自宅に監禁し,その間にAの実父Bに対し,電話で身の代金を要求した。この場合,甲には,身の代金目的拐取罪,監禁罪及び拐取者身の代金要求罪が成立し,身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪が牽連犯となり,これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。

  1. 1.アイ
  2. 2.アオ
  3. 3.イエ
  4. 4.ウエ正解
  5. 5.ウオ

正解: 4 (ウエ)

罪数論 (観念的競合・牽連犯・併合罪) の整理を問う問題。刑法 54 条 1 項前段が観念的競合 (一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合)、後段が牽連犯 (犯罪の手段又は結果である行為が他の罪名に触れる場合) を規律し、いずれにも当たらないものが 刑法 45 条 の併合罪となる。

ア. 正しい。電磁的公正証書原本不実記録罪と同供用罪は、不実の記録をさせる行為 (手段) と当該記録を公正証書原本としての用に供する行為 (結果) という関係にあり、両者は手段-結果の関係に立つと整理されることが多い。したがって 54 条 1 項後段の牽連犯となる。

イ. 正しい。「乙にバットを手渡す」という一個の幇助行為が、A に対する傷害罪の幇助と B に対する傷害罪の幇助という二個の罪名に触れている。一個の行為で二個の罪名に触れる以上、54 条 1 項前段の観念的競合と整理される。

ウ. 誤り。キャッシュカードの詐取 (詐欺罪) と ATM からの現金引出し (窃盗罪) は、被害法益も行為態様も異なる別個独立の犯罪であって、社会通念上、手段-結果の関係に立つ類型的行為とは認め難いと解されている。両者は牽連犯ではなく併合罪と整理されるのが一般であり、本記述は誤り。

エ. 誤り。住居侵入と侵入後に住居内で行われた犯罪との間には手段-結果の関係が認められ、両者は牽連犯となると整理されている。本肢では侵入時の目的 (強制性交) と現実の行為 (窃盗) が一致しないものの、結果として侵入が窃盗の場所的前提となっている以上、住居侵入罪と窃盗罪は牽連犯と解されるのが一般であり、「併合罪」とする本記述は誤り。

オ. 正しい。身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪は、拐取行為を前提として身の代金要求がなされる関係にあり手段-結果の関係に立つため牽連犯となる。他方、監禁罪は拐取後の独立した自由侵害であって、拐取罪・要求罪との間に手段-結果の関係を認め難く、各罪と監禁罪は併合罪と整理される。

よって誤っているのはウとエの組合せであり、正解は 4。

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