司法試験 / 刑法
2022年 司法試験 刑法 第19問 解説
- 名誉毀損罪
解説
AI 生成この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。
▸問題と選択肢
〔第19問〕(配点:2)
名誉に対する罪に関する次の【見解】についての後記1から5までの各【記述】のうち、誤っているものはどれか。(解答欄は、[No.31])
【見解】名誉毀損罪(刑法第230条)の保護法益は人の外部的名誉(社会的評価、社会的名誉)であり、侮辱罪(刑法第231条)の保護法益は人の主観的名誉(名誉感情)である。また、侮辱罪は、事実を摘示した場合にも成立し得る。
【記述】
- 1.この【見解】からは、意識を喪失した終末期の患者に対する侮辱罪が成立しないことになる。
- 2.この【見解】に対しては、侮辱罪の規定が公然性を要求していることを十分に説明できないとの批判が可能である。
- 3.この【見解】からは、刑法第231条の「事実を摘示しなくても」という文言は、事実の摘示の有無にかかわらず侮辱罪が成立し得るという趣旨で解釈される。
- 4.この【見解】からは、法人に対する侮辱罪の成立を認めることが可能である。正解
- 5.この【見解】からは、名誉毀損罪が成立する場合にも、同時に侮辱罪が成立する可能性がある。
正解: 4(誤り)
名誉毀損罪 (刑法 230 条) の保護法益を 外部的名誉 (社会的評価)、侮辱罪 (刑法 231 条) の保護法益を 主観的名誉 (名誉感情) と二元的に捉える見解からの帰結を問う問題。
1. 正しい。名誉感情は本人の意識作用を前提とするので、意識を喪失した終末期患者は 名誉感情の主体たり得ず、侮辱罪は成立しない。本見解からの典型的帰結である。
2. 正しい。名誉感情の侵害は私的領域 (1 対 1 の場面) でも生じうるのに、刑法 231 条は 「公然と」 という公然性を要件とする。名誉感情説からはこの公然性要件を理論的に説明しにくいという批判が通常向けられる。
3. 正しい。本見解は侮辱罪が 事実摘示の有無を問わず 成立し得るとする立場なので、刑法 231 条の「事実を摘示しなくても」という文言は、事実摘示の有無にかかわらず侮辱罪が成立し得るという趣旨で解釈されることになる (事実摘示型の名誉毀損罪の補充規定として狭く読まない)。
4. 誤り。名誉感情は人の意識・精神作用を前提とするから、その主体は 自然人に限られ、法人には観念できない。本見解からは法人に対する侮辱罪の成立を認めることは できない。よって「法人に対する侮辱罪の成立を認めることが可能である」とする本記述は本見解と整合しない。
5. 正しい。外部的名誉と主観的名誉は 別個の保護法益 であるから、公然事実摘示によって社会的評価と名誉感情の双方が同時に侵害されれば、名誉毀損罪と侮辱罪が併存し得る (両罪同時成立を理論的に否定できない)。
よって誤っているのは 4。