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司法試験 / 刑法

2022年 司法試験 刑法 第2問 解説

  • 刑法各論
  • 判例

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第2問〕(配点:2)

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。(解答欄は、[No.3])

  1. 1.甲は、乙が熟睡していることに乗じてわいせつな行為をしたが、これに気付いて覚醒した乙から抵抗され、わいせつな行為を行う意思を喪失した後、逃走するため、乙に暴行を加えて負傷させた。この場合、甲に準強制わいせつ致傷罪は成立せず、準強制わいせつ罪と傷害罪が成立するにとどまる。
  2. 2.甲は、自己の性欲を刺激興奮させ又は満足させるという性的意図を有さず、専ら乙を侮辱して報復するため、乙を脅迫して裸にして写真撮影した。この場合、甲に強制わいせつ罪が成立することはない。
  3. 3.甲は、自らが管理する動画配信サイトにわいせつな動画のデータファイルをアップロードし、同サイトを利用した不特定の顧客によるダウンロード操作に応じて、同ファイルを当該顧客のパーソナルコンピュータに自動的に送信させ、同コンピュータに記録、保存させた。この場合、甲にわいせつ電磁的記録等送信頒布罪が成立する。正解
  4. 4.甲は、わいせつな内容を含む書籍を販売したが、その目的は作品の文芸的・思想的価値を社会に主張することであった。この場合、甲にわいせつ文書頒布罪が成立することはない。
  5. 5.甲は、日本国外で販売する目的で、日本国内において、わいせつな内容を含む書籍を所持した。この場合、甲にわいせつ文書有償頒布目的所持罪が成立する。

正解: 3

わいせつ犯罪 (刑法 175 条 以下) に関する判例知識を問う設問。

  1. 誤り。準強制わいせつ行為者がわいせつ行為の意思を喪失した後、逃走目的で被害者に暴行を加えて傷害を負わせた事案について、最決平20.1.22 は強制わいせつ等致傷罪 (刑法 178 条 1 項・刑法 181 条 1 項) の成立を肯定する。本肢はまさに同判例の事案そのものであり、先行する準強制わいせつ行為と時間的・場所的に近接し密接な関連を持つ暴行による傷害は、同条の射程に含まれる。

  2. 誤り。最大判平29.11.29 は、強制わいせつ罪 (刑法 176 条) について従来の性的意図必須要件説 (昭和 45 年判例) を変更し、行為が持つ性的性質が客観的に明らかな場合は性的意図の有無を問わず「わいせつな行為」と評価しうるとした。乙を脅迫して裸にして撮影する行為は性的性質が客観的に明らかであり、報復目的であっても強制わいせつ罪は成立しうる。

  3. 正しい。最決平26.11.25 は、刑法 175 条 1 項後段にいう「頒布」とは不特定又は多数の者の記録媒体上に電磁的記録を存在するに至らしめることをいうとし、自らが管理する動画配信サイトを介して顧客のパソコンに動画ファイルを自動送信・記録保存させる行為も「頒布」に当たるとした。本肢はまさに同判例の事案であり、わいせつ電磁的記録等送信頒布罪 (刑法 175 条 1 項後段) が成立する。

  4. 誤り。最大判昭44.10.15(悪徳の栄え事件) は、文書のわいせつ性は文書全体との関連で客観的に判断すべきであり、芸術的・思想的価値を有する文書であってもわいせつ性を備えるものとして取り扱うことを妨げないとする。動機・目的が作品の文芸的・思想的価値の主張にあったとしても、客観的にわいせつ性を備える書籍を頒布した以上、わいせつ文書頒布罪 (刑法 175 条 1 項) は成立しうる。

  5. 誤り。判例上、刑法 175 条 2 項にいう「有償で頒布する目的」(改正前は「販売の目的」) は、日本国内における健全な性風俗の維持という同条の保護法益に照らし、国内 で有償頒布する目的に限定され、専ら国外で販売する目的は含まれないと解されている 1。したがって、日本国外で販売する目的で日本国内においてわいせつ書籍を所持した行為は、有償頒布目的所持罪を構成しない。

よって正解は 3。

Footnotes

  1. 「わいせつ物頒布等の罪 (16) 〜有償頒布の罪②」(法律学習解説サイト) https://sumaho-study.com/175_16/

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