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司法試験 / 刑法

2022年 司法試験 刑法 第5問 解説

  • 違法性
  • 判例

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第5問〕(配点:2)

次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものの個数を後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.11])

ア.甲は、乙(10歳)の性器を指で触るわいせつな行為を行った。この場合、乙が同意していたのであれば、甲に強制わいせつ罪は成立しない。

イ.甲は、強制わいせつの目的を隠し、家まで送ると偽って乙を自動車に乗せて走り出し、途中でその目的に気付いた乙が降りたいと言ったにもかかわらず、同車を走行させ続けた。この場合、乙は、乗車時点では乗車に同意しているから、乙が降りたいと言った時点以降についてのみ、甲に監禁罪が成立する。

ウ.甲は、乙と保険金詐欺を共謀し、過失による自動車事故を装い、甲運転の自動車を乙運転の自動車に故意に追突させて、乙に傷害を負わせた。この場合、乙が傷害を負わされることに同意している以上、甲に傷害罪は成立しない。

エ.甲は、刑務所に服役したいと考えている乙と口裏を合わせ、乙の同意を得て、司法警察員に対し、乙に現金を窃取された旨の虚偽の被害届を提出した。この場合、乙の同意がある以上、甲に虚偽告訴罪は成立しない。

オ.甲は、現金自動預払機を利用する客のキャッシュカードの暗証番号を盗撮する機器を設置する目的で、行員が常駐しない銀行出張所内に立ち入った。この場合、甲による立入りの外観が一般の利用客のそれと異なることがなければ、甲に建造物侵入罪は成立しない。

  1. 1.1個
  2. 2.2個
  3. 3.3個
  4. 4.4個
  5. 5.5個正解

正解: 5(5 個全て誤り)

被害者の同意 (承諾) が犯罪の成否に与える影響を横断的に問う設問。判例の立場では、同意能力の欠如・錯誤に基づく無効・違法性阻却の限界・保護法益の性質・管理権者の意思の各観点から、いずれも同意があっても犯罪成立を否定できない場面が問われている。

ア. 誤り。10 歳の幼児に対し性器を指で触る行為は、行為の性的性質が客観的に明らかな類型である。最大判平29.11.29 は性的意図の有無を問わず「わいせつな行為」と評価しうるとしており、加えて被害者の年齢上、刑法 176 条 にいう有効な同意能力も認められない。よって強制わいせつ罪は成立する。

イ. 誤り。強制わいせつの目的を秘して乗車させた場合、被害者の乗車同意は真実の目的を知れば与えなかったであろう錯誤に基づくものであり、有効な同意とは評価できないと解されている 1。乗車時点から 刑法 220 条 の監禁罪が成立しうる。

ウ. 誤り。最決昭55.11.13 は、被害者の傷害承諾の有効性は承諾の存在のみでなく動機・目的・手段・損傷の部位および程度等を総合考慮して決すべきとし、保険金詐取目的の追突事故による承諾傷害は違法性阻却されないとした。よって 刑法 204 条 の傷害罪が成立する。

エ. 誤り。虚偽告訴罪 (刑法 172 条) の主たる保護法益は国家の審判作用の適正な運用という国家的法益であり、告訴を受ける者の同意があっても国家法益保護の必要性は失われないと解されている 2。乙の同意があっても虚偽告訴罪は成立する。

オ. 誤り。最決平19.7.2 は、暗証番号盗撮目的で銀行出張所に立ち入った事案において、立入りの外観が一般客と同様であっても管理権者の意思に反する目的での立入りは 刑法 130 条 前段の建造物侵入罪を構成するとした。

よってア〜オの 5 つすべてが誤り。正解は 5。

Footnotes

  1. 最決昭33.3.19 を引用し、欺罔による乗車同意は錯誤に基づき無効で乗車時点から監禁罪が成立しうるとする整理。京都刑事弁護士「女性らを騙して車に乗せたとして監禁罪で逮捕された事例」 https://kyoto-keijibengosi.com/josei-damasu-kuruma-noseru-kankinzai-taiho-jirei/

  2. 虚偽告訴罪の主たる保護法益を国家の審判作用の適正な運用とし、告訴を受ける者の同意があっても罪の成立を妨げないと整理する。社会人のスマホ学習ブログ「虚偽告訴罪 (2)」 https://sumaho-study.com/172_2/

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